ナイロビの蜂 The Constant Gardener
2006年 05月 27日
レイフ・ファインズはやばめの役かこういう凡庸な人の役の両極端なのが似合う
「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス監督の新作っていうのとレイチェル・ワイズがオスカー受賞っていうので話題だったけど内容はかなり重たかった。アフリカの助けの手に見せかけて先進国から搾取されまくってる様になんともいえない気分に。こういうのは周りからはどうしようもないのかな。もっとネットを使うとか陰謀を公にするいい方法はなかったのかなと思ってしまったりテッサの行動は無茶すぎたとは思うけど彼女なりに旦那の影響もあって公的に穏便にいこうとしてたのがかなしい。
時間軸とか各登場人物の演出の仕方が上手い。事なかれ主義のエリートと情熱的な活動家の夫婦が死を間に挟んで再び寄り添うまでの話。ジャスティンが本当の意味で妻を愛し、理解するまでの心の移り変わりが繊細に描かれていた。妻と同じ考えになるのが愛している証になる訳でもないし、ジャスティンが選択したことがテッサを本当に喜ばせたかは疑問だけど(テッサは自分と違う考えの夫に癒されていたところもあったと思うので)嫌なものは見なかったことにしていた主人公が自分で選択し行動して得た感情に溢れたラストシーンがかなしいけど美しい。音楽もすごく耳に残るし、やっぱ上手い監督さんだなー。
レイチェル・ワイズも情熱的なテッサそのものになってて素晴らしかったけどファインズもすごい。上手い人同士が演じると映画に深みが出ると言うか、しみじみうまいなあと思った。