映画やあれこれ


by 7_7seven
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シルク Silk

数年前、中谷美紀がレッド・ヴァイオリンの監督/フランソワ・ジラールの映画でマイケル・ピットと共演!アルフレッド・モリーナまで!音楽は坂本龍一!というニュースを聞いたときからすごく楽しみにしていたのに公開が近づくに連れ「中谷は脇役らしい」「新人の女の子が大きい役をするらしい」「アメリカでは興行も評論家受けもあんまりよくないらしい」(興行の面は小規模公開作品なのでしょうがないとして)と次々凹むよう情報が飛び込んで正直見るの躊躇したりもしましたが初志貫徹、前売り買って(サシェが特典でついてました〜)気合い入れてみてきました。
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日本版より芦名星が大きく載っている…

原作者が「海の上のピアニスト」の人と知ったらかなり納得の話でした。ある意味寓話なんですね。文芸作品の映画なのにへんてこな日本の描写になんだこれと思った(役所広司は注意しなかったのかー!とか)んだけどここの日本もフランスも名前がそうなっているだけであんまり意味はなく、時代や背景のリアルさより「おはなし」の中のイメージでいいんですね。雰囲気というか空気や香り、そこから登場人物の心情をあぶりだす演出なのでしょう。
しかしフランスが舞台なのに思いっきり英語話してるから戸惑いました。役所さんが英語話してたけどもうそんなとこに突っ込んでもしょうがないっすか、

蝶々夫人とかポカホンタス的なみたいな話とか思いきやそんなんでなく、異国であった少女から自分が受けたイメージのみに執着し命がけで右往左往する主人公。やはり古今東西恋愛を混乱させているのは成就してない状態での別離、というかてっとり早くいえば「やってない」ことがどんなに気持ちを引きずるかということです。相手の謎の部分を多く残した状態のまま距離を置くと自分の中でどんどんイメージのみが膨らみ、執着してしまう。逃した魚は大きい、じゃないですがこの主人公(マイケル・ピットが童顔だからロリコンに見えなくてよかった)も異国での強烈な体験の印象と触れてはいけない立場という危険領域の少女に大きなイメージを投影してしまう。自分がつくりだしたものだからこそ執拗に追い求めるのでしょう。

対する妻の行動ですがイメージという敵にはイメージで対抗したのがすごい。実体のない物ににじりよる心情はいかばかりだったでしょう、妻への罪滅ぼしというか慰めに庭をつくるのも暗喩的です。暗喩といえばタイトルのシルクにも二十三重に意味が仕掛けられていて、原作の小説は読んでないけどおそらくかなり小説に忠実に映像化されたのではないでしょうか。日本でもあまり話題にもなってないけど映像の美しさ、音楽は坂本龍一にしたらフツーですが叙情的で美しい音楽、色々なイメージを重ねて味わう繊細な料理のような映画です。

楽しみにしていた中谷美紀は英語もなかなか。未亡人役にはちょっと若いかなあというかんじでしたが後半の重要人物をきっちり演じてました。芦谷星ははじめて見たけどなつかしのアジアン・ビューティ、タムリン・トミタに似てる、欧米人受けしそうなルックス。マイケル・ピットは難しい役を誠実に演じてました。アルフレッド・モリーナのおかげでかなり画面に厚みが。そしてキーラは相変わらずの脱ぎっぷり(そして貧乳っぷり)に拍手でした。「つぐない」も楽しみ〜。
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by 7_7seven | 2008-01-30 00:30 | さ行の映画