映画やあれこれ


by 7_7seven

<   2008年 01月 ( 7 )   > この月の画像一覧

シルク Silk

数年前、中谷美紀がレッド・ヴァイオリンの監督/フランソワ・ジラールの映画でマイケル・ピットと共演!アルフレッド・モリーナまで!音楽は坂本龍一!というニュースを聞いたときからすごく楽しみにしていたのに公開が近づくに連れ「中谷は脇役らしい」「新人の女の子が大きい役をするらしい」「アメリカでは興行も評論家受けもあんまりよくないらしい」(興行の面は小規模公開作品なのでしょうがないとして)と次々凹むよう情報が飛び込んで正直見るの躊躇したりもしましたが初志貫徹、前売り買って(サシェが特典でついてました〜)気合い入れてみてきました。
c0005072_036565.jpg

日本版より芦名星が大きく載っている…

原作者が「海の上のピアニスト」の人と知ったらかなり納得の話でした。ある意味寓話なんですね。文芸作品の映画なのにへんてこな日本の描写になんだこれと思った(役所広司は注意しなかったのかー!とか)んだけどここの日本もフランスも名前がそうなっているだけであんまり意味はなく、時代や背景のリアルさより「おはなし」の中のイメージでいいんですね。雰囲気というか空気や香り、そこから登場人物の心情をあぶりだす演出なのでしょう。
しかしフランスが舞台なのに思いっきり英語話してるから戸惑いました。役所さんが英語話してたけどもうそんなとこに突っ込んでもしょうがないっすか、

蝶々夫人とかポカホンタス的なみたいな話とか思いきやそんなんでなく、異国であった少女から自分が受けたイメージのみに執着し命がけで右往左往する主人公。やはり古今東西恋愛を混乱させているのは成就してない状態での別離、というかてっとり早くいえば「やってない」ことがどんなに気持ちを引きずるかということです。相手の謎の部分を多く残した状態のまま距離を置くと自分の中でどんどんイメージのみが膨らみ、執着してしまう。逃した魚は大きい、じゃないですがこの主人公(マイケル・ピットが童顔だからロリコンに見えなくてよかった)も異国での強烈な体験の印象と触れてはいけない立場という危険領域の少女に大きなイメージを投影してしまう。自分がつくりだしたものだからこそ執拗に追い求めるのでしょう。

対する妻の行動ですがイメージという敵にはイメージで対抗したのがすごい。実体のない物ににじりよる心情はいかばかりだったでしょう、妻への罪滅ぼしというか慰めに庭をつくるのも暗喩的です。暗喩といえばタイトルのシルクにも二十三重に意味が仕掛けられていて、原作の小説は読んでないけどおそらくかなり小説に忠実に映像化されたのではないでしょうか。日本でもあまり話題にもなってないけど映像の美しさ、音楽は坂本龍一にしたらフツーですが叙情的で美しい音楽、色々なイメージを重ねて味わう繊細な料理のような映画です。

楽しみにしていた中谷美紀は英語もなかなか。未亡人役にはちょっと若いかなあというかんじでしたが後半の重要人物をきっちり演じてました。芦谷星ははじめて見たけどなつかしのアジアン・ビューティ、タムリン・トミタに似てる、欧米人受けしそうなルックス。マイケル・ピットは難しい役を誠実に演じてました。アルフレッド・モリーナのおかげでかなり画面に厚みが。そしてキーラは相変わらずの脱ぎっぷり(そして貧乳っぷり)に拍手でした。「つぐない」も楽しみ〜。
[PR]
by 7_7seven | 2008-01-30 00:30 | さ行の映画
1986年の作品をアクションスリラーの名作「ヒッチャー」を完全リメイク!と煽っているけどこれほんと全国でぱらぱらっとしかやってない…。なのに前売り特典とか初日プレゼントとか妙に張り切り過ぎ。ショーン・ビーン目当ての客ピンポイント狙いのプロモなのか(そしてそれにまんまとのせられる私…)そういうのを配布するには不似合いな作品なんだけど〜。とにかく早くいかないと即一日一回上映、二週間で上映終了〜になっちゃうので(弱肉強食シネコン。きっちり二週間で切られたラッキーユーを思いだす)とっとと行ってきました。
c0005072_0504358.jpg

この衣装もなに着てるかよくわからなかった…

プロデューサーがマイケル・ベイっていうのとMTV撮ってた監督って聞いてざわざわしてましたがやはりでした。とにかく決め絵を撮るってかんじで間の動きがよろしくない。アクションもガンアクション、ナイフ、カーアクションまでどーも切れ味わるし。決め絵は綺麗なんだけどねー。カーアクションもガンもサスペンス演出も大きな音と派手な爆発と激しいカット割でごまかしてるかんじであれれでした。「デス・プルーフ」とかほんとカーアクション上手かったんだなあ、とこれ見て再認識ですよ。

まあ元の作品が面白かったようで(見てないけど)話的には飽きないんだけど、この主人公カップルが間が悪いというか「えっなんで?」みたいな行動しまくり。そりゃ追ってくるよ。また2人がフツーに善良な子達なので(意味ないシャワーシーンあり)展開するごとにおもーい気持ちに、特に彼氏はいいひとっぽいのに、散々(散々っていうか)だったし、元の作品はカップルじゃなかったようでそこらへんの改変が?。特に功を奏していたようには見えなかったし、この監督、冒頭の道路のシーンとか車のガラスのシーンとかなんか悪趣味というか、敢えての演出なんだろうけどあんまいい気分(まあアクションスリラーにいい気分もないけど)しないわー。
お話はそんなんでふたりの無茶な行動はパニックでちゃんとした判断が出来てなかったとして警察のあほあほっぷりは一体。あの警部さん(父親達の星条旗に出てたらしいけどどの役だったか覚えてない。すごい個性的な顔なのに)はなんかやってくれる!と期待したらあんなだし。そしてショーンは怖いんだけどカエルのぬいぐるみ持ったり(監督はあれが撮りたかったのか)すんごい早さで移動したり、どっか笑えるのはなぜ。超人的なシリアルキラーか、死にとりつかれた猟奇的な犯人かどっちつかずになったみたいでもったいなかった。衣装ももうちょっとさあ。髪型もなあ。何よりあんまり画面に出てこなかったのがなあ、(出てくると話的には殺人が始まるんで緊張しちゃうんだけどさ)。ショーンはなぜこの作品選んだんだろう…?カップルちゃんたちは本当にお気の毒でした特に彼氏。横から見るとトム・クルーズに似てる。女の子はドラマの出身だしマイケル@ベイはTVっぽいルックスがすきだなあ。

スリラーとか苦手なんで見た後はすごい徒労感が…。飽きなくて面白かったんだけどやっぱ疲れた。青い空のした、広々とした道路上でスリムな人物が銃もって立ってる、というマイケル@ベイ印の映像も見られてよかった。
[PR]
by 7_7seven | 2008-01-21 23:45 | は行の映画

ペルセポリス PERSEPOLIS

1970〜80の激動のイランを舞台に監督の半生を綴ったグラフィックノベルのアニメ映画か。カンヌでも審査員賞を受賞するなど高評価っていうのもありますが、二年位前にフランスのコミックに詳しい人から面白いよと聞いて監督著「刺繍」を買って読んで面白かったので楽しみにしていました。
c0005072_0214568.jpg


この作者独特の画風が動くとどうなるのかなーと思ってたらすごくいい!動きも絵柄にあってるし。しかし字幕が読みにくくて困った。ほぼモノクロの画面だから普通の白のみの文字じゃなくて昔のモノクロ映画みたいな文字がよかった。その分フランス語を真剣に聞いたけど習って早2年だけどさっぱり上達せずの状態なのできつかった、声優はフランス語はキアラ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーブ!で豪華。しかし監督のインタビューにあったけどハリウッド映画化して父母役をブラピとJLo.ってどうよ。

映像はすごくいいんだけどこの主人公の行動がどうも…。あれだけあの時代に恵まれていて(祖父は王族だったらしいから裕福なのはわかるけど)家族もすごくいい人に囲まれていて)娘思いで温厚で知的なお父さん、お母さん、何より含蓄のある台詞満載のおばあちゃん!深い言葉の伯父さん等に囲まれて育ったのに留学以降のこの主人公の行動の行き当たりばったりさというかだめんずさには見てて脱力でした〜。あんなに色々見てきてそれかよ、と。まあそこらへんを自虐的に描いたりユーモアもたまに入るんだけど共感までは至らず…。お母さんの「平和な国でしっかり教育を受けて自立して欲しい」っていう願いの真逆いってるし。本人も忸怩たる思いがあったかもだけどちょっとなあという印象が。イランの激動の時代でこの選択っていうのが逆に面白かったのかな。でもその後はグラフィックノベルで認められて映画も成功してって才能を開花させたんだからお母さんも喜んだと思うしいいか。
[PR]
by 7_7seven | 2008-01-20 00:17 | は行の映画

アース EARTH

「DEEP BLUE」あたりから人気が続くネイチャー系ドキュメンタリー(勝手に命名)。今回は予告がすごくよかったので期待しつつ映画館へ。
c0005072_22234776.gif

このポスターはあんまあざといかんじがしない…

日本語吹き替え版しかやってなくて、ナレーターが渡辺謙なんだけどなぜか「コンダクター」って名称に。英語版ではナレーター(X-MEN、スタートレックのパトリック・スチュワート)なんだけどなぜ?日本だけの演出とかいらないんですけど…。なんか渡辺謙って前も自分主役の映画「明日の記憶」でもなんかオリジナルな名称で呼んでたような。プロデューサーじゃなくてイントロデューサー(優秀な人材を紹介する者)なんです、みたいな。普通にプロデューサーでいいじゃん、って思った覚えが。

まあそんな謙さんの不思議なこだわりはいいとして映画自体はプラネット・アースからのらしいんで、それを見てた人には新鮮なものはないかも。私は見てないものも多かったから面白かったけど、しかし前に見た(タイトル失念)ネイチャー系ドキュメンタリーもそうだったんだけどなんか説教っぽいナレーションが入るので気になった。勝手に動物にアフレコしないだけいいんだけど、なんかなあ。あのナレーションは英語版もあんななの?動物の種類が多かったせいかブツ切り感が強いというか組み合わせやつなぎ方にセンスがよくなかったような。よくばりすぎってことなのかプラネット・アースのダイジェストと思えば正解のつくりなのか。どうなんでしょう。なんか予告が一番よかったような…。

今思えば一番最初に見たディープブルーのつくりが一番好きかもと今回ディープブルーの評価がアップしました。そして家族連れが多くて500円効果のすごさにびっくり。
[PR]
by 7_7seven | 2008-01-18 22:19 | あ行の映画
実は去年見た「俺たちフィギュアスケーター」。ショウビズカウントダウンでもずっといいランキングで楽しみにしていたのに日本未公開になりそうという噂。えええ〜と思ってたら一転公開。でもいったこともない遠い場所の映画館だったのでこれ見るために数千円使っちゃったよ…。面白くなかったらどうしてくれようと思いながら映画館へ。
c0005072_0481147.jpg

やっぱアメリカはウィル・フェルル押しなのね

結論。すごい面白かった。久々に映画館で大笑いした。あんなに遠いとこでの公開じゃなかったらもう一回みたいくらいなんだけど〜。雑誌の批評にやたら下品下品書かれてたけどほんとに下品でした。でも面白い。下ねたも多いけどやなかんじはしないんだよね。冒頭のスケートシーンから一貫してスケートへの尊敬と愛情が現れていて(アメリカでのスケート人気の高さもあるんでしょうが)笑いながらも暖かい気持ちに。だから有名スケーターもカメオ出演してたんだろうなー。サーシャ・コーエンのコメディセンスに好感度アップ!

冒頭の主人公2人の紹介が「ズーランダー」みたいで楽しかった。冷血な義父さんはプリズンブレイクの人だよね。いつの間にあんな富豪に。
話の流れはスポ根ものの王道をくんだけどマイケルズとマッケロイのキャラ設定がしっかりしてるからそのキャラにふさわしい行動をとるだけで笑いにつながるという素晴らしいパターン。脇もよくてマッドサイエンストっぽいコーチやストーカー(「次に会ったら殺すね!」とか人形劇とか面白過ぎ)、ライバルの変態兄妹(エロ電話をノリノリでやり合うとこが面白かった)も皆上手くて笑った。やっぱコメディ演技できたら大きいなあ。

スケートの技もいちいちおかしくてアイアン・ロータスは危険すぎる割に見栄えしないけど(かの国での映像はすごすぎ)はじめのステージでやった技は面白すぎて下品で涙出た。ラストの決めポーズとかさーどうなのよ。
主演の2人もほんとーに上手くてこのふたりが「主人公は僕だった」とか「ナポレオン・ダイナマイト」に出てたとか信じられんね。ジョン・ヘダーはほんとに日本語できるらしく。この映画でも流暢だった「いい質問ですね〜」ってすごく自然な発音だったし。はじめ正反対ふだったふたりが段々お互いを認めてくあたりの描写もよかった。根本の人間関係の描写も不自然じゃないからコメディ部分も面白くなるわけでほんとよく出来てるなーと笑いながらしみじみ思った次第ですよ。

しかしパンフもなければグッズもないってどうなのよ。あったら絶対買うのに。特にあの不穏な顔のマスコット「スノーフちゃん」のグッズがあったら即買い。スノーフちゃん、あんな不穏な顔なのにカナダ国民に愛されまくってる風なのがいい。しぐさもいちいちかわいいし。(あの指差しとか最高の間)パート2が作られるならまた登場してほしいな。(マスコットへの愛で文章が終わるとは)
[PR]
by 7_7seven | 2008-01-13 23:56 | あ行の映画
今日から公開の「ジェシー・ジェームズの暗殺 The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford 」を見ました。予告の映像がめちゃくちゃ綺麗だったので見る気まんまんだったけど色々な批評読むと「長い。40分削れる」とかあんま評判よくない模様でまあ綺麗な映像見られるならいいやーと思って行ったら すごいよかった!映像は期待を遥かに超える美しさだし、長さも全然感じなかった。なんかオリジナルは4時間とかあるらしいですが、見てみたい。DVD買い決まりです。
c0005072_31159.jpg

日本版と同じデザイン。この空と人物のコントラストも素晴らしいです

しかし他人に面白いよ!とおすすめ出来るかというと微妙…。まず日本ではジェシー・ジェームズの知識が全くないこと。自分も全くないけど楽しめたけど映画見た後色々情報を集めたところ、この映画の特長は今までヒーローとしてアメリカで親しまれてきたジェシーの暗部を描いているところ、さらにあまり描かれてきていなかった暗殺者側を中心に描いているところなどなど今までの西部劇からかなりかけ離れた演出なとこ。前に書いた「スウィーニー・トッド」が歌舞伎的な悲劇ならこっちはパンフレットにも書いてあった通りギリシア悲劇っぽい。

西部劇というより心理サスペンスでしかも誰にも共感出来ないように登場人物と距離を保った状態で演出してるので人物に感情移入して泣いたりってかんじでもない。平家物語っぽい群像悲劇というか栄華を誇った集団だったのが時が経つにつれ人の気持ちが絡み合い、お互いを疑い、裏切り、絶望し、死んで行く、崩壊のその顛末を淡々と描いている。それがマスコミや物語を通じて大勢の人に広がって別の物になっていく過程もにているかも。そこらへんが自分にはすごく面白かったけどそういうのが好きでない人には拷問かも。二時間四十分もあるし。

まずロジャー・ディーキンズの映像の素晴らしさ!ショーシャンクの空にでも素晴らしかったけど閉塞感の中の開放感を描くのが上手いと思う。今回も平原や空の自然の美しさとか絶品。ガラスの透明感とか光と影の描き方、特に列車強盗の場面とか見とれてしまいました。人物もそれぞれの人物の心の揺れを繊細にとらえていて素晴らしかった。

音楽はニック・ケイブで実際自分も出てて笑ってしまった。テーマが局長を変えながら繰り返し流れていて映像との相乗効果で悲劇性を増していた。
俳優はベテランにインディーズ系役者からくせ者揃えてて、サム・シェパ^ドもポール・シュナイダーもサム・ロックウェルもジェレミー・レナーもギャレット・ディラハントも皆うますぎ。当初ロバート役はトランスフォーマーやインディジョーンズ4で大ブレイクのシャイア君がやるはずだったらしいけど若すぎってことでケイシーに。でもケイシーの演技見たらよい選択だったと思う。この複雑な人物をすんごい自然に演じてて引き込まれてしまった。冒頭のタランティーノばりのボーイズトークっていうんでしょうか、男同士のバカ話で見事にそれぞれのキャラクターを表現しててすごいなと。男集団の独特の心理戦、カリスマリーダーへの媚びやへつらい、それぞれの駆け引きの演出のうまさ。兄のフランクみたいに始終落ち着いてたら対応も出来るけどジェシーみたいに普段はジョーク言ったりしつついきなりキレたりするタイプは一番始末悪い。ジョークに笑ってたらいつの間にかキレてたり、ヒヤヒヤ。しかも地獄耳だし疑心暗鬼になってたり怖すぎる。そういう集団の心理戦もとても上手く演出してあって見てて手に汗にぎった。自分だったら数分でジェシー怒らせるな…。ブラピのジェシーは34歳には見えなかったけどなかなかよかったです。死の直前の寂しそうな目の表情とか心動かされた。

ストーリーは暗殺後だれるだろうなーと思ってたら意外な展開で驚いた。今も昔もメディアの力はすごい!ジェシーの好かれっぷりに驚愕。そして大衆は自分たちでどんどんヒーローを選んでつくりあげていくんであって残念ながらロバートは大衆には選ばれなかったと。大衆に拒否られたものの独特のかなしみというか虚無感もよく出てた。しかし自分で殺して演じるって、これぞ自作自演ってやつですね。

監督のアンドリュー・ドミニクはエリック・バナ主演の「チョッパー・リード」の監督でブラピに絶賛されていた人。エリック・バナを「トロイ」に薦めたり監督と組んだり、ほんとに好きな映画らしい。しかしチョッパーでデブの連続殺人鬼演じてたエリック・バナをトロイでは王子役にキャスティングするんだからすごい。
製作はプランBとスコットフリー!なんでこれはもう「可能な限り監督の好きなようにやった映画」のお墨付きを得たようなものです。映画大好きっ子ブラピの面目躍如の作品でうれしくなりました。次回もがんばれ。
[PR]
by 7_7seven | 2008-01-12 02:52 | さ行の映画
もう10日ですがあけましておめでとうございます。今年こそ映画見た日に短くても感想書くようにしたいと思います〜。今年もよろしくです。

2008年一本目は試写会でジョニー・デップ+ティム・バートンコンビ初のミュージカル「スウィーニートッド フリート街の悪魔の理髪師」。ジョニー来日で盛り上がる中(久々に眼鏡外してたけどやっぱ綺麗な顔だなと再認識ですよ!しかしやっぱりジョニーファンって他のハリウッドスターとは桁違いに多いのね。人気投票とかほんとに二桁くらいちがっているし)張り切ってみてきました。
c0005072_014992.jpg

ジョニー顔押しポスター。日本版の黒赤ポスターもなかなかです。

元ネタのミュージカル(日本では市村正親と大竹しのぶで演じたとか!)知らなかったけどすごーく面白かったです。音楽も独特のノリがあってバートンの世界と融合して面白い事になっていたし。却って知らない方が楽しめるかも。帰って元ネタミュージカルのこと調べたらスティーブン・ソンドハイムってウェストサイド物語の作者なのね。しかもこのスウィーニー・トッドはかなり前に作ったと知ってびっくり!なんという斬新さ。新鮮さ。圧倒的な個性。楽曲だけでもかなり楽しめます。色々あってオリジナルからメインテーマみたい曲が削られたらしくそれはちょっと残念かも。

話の筋だけ追うとなんて悲惨で悲しい話なんだろう…なのにどこか全体におかしみがあるのもバートン演出のすごいとこ。ひたすら抑えた色彩のロンドン、Mrs.ラベットの妄想やベンジャミンの回想の地に足の着いてないような映像、クリアな色彩でとびまくる血しぶき。あんま関係ないけどラベットの妄想シーンのふたりの格好がめちゃくちゃいいです。ちゃんとふたりでコーディネートしてあってゴスメイクなのにすごくかわいい。

役者さんはまず目玉の歌うジョニー。これはユアンとは違う意味で役者ならではの歌でよかったと思った、舞台役者みたいには声量もテクニックもないんだからぐっとキャラクターの奥に入り込んだ歌声。アラン・リックマンはもうどんなことやっても「ああアラン・リックマンだから…」ってことになりそうなくらいなんでも出来るね。あとすげーと思ったのはトビー役のこ!すごい魅力的。フツーに脇役で登場してラストはすごい存在感となんともいえない表情していて圧巻だった。これから見る方ははじめとラストの表情の違いに注目ください。あとサーシャ・バロン・コーエン、予想以上にいい。歌うまいし、存在感あるねー。オーディションで「屋根の上のヴァイオリンひき」全曲やったそうで。見たい!あと笑ったのはアンソニー役のバカっぽさが全開だったこと。こいつがでかい声で部屋に入ってくる事で物語が過剰に動くという。元ネタミュージカルもあんなに全開なんでしょうか。

ラスト20分の怒濤の展開は歌舞伎みたいで面白かった。とんでもない悲劇と二十三重に重なる一方通行の愛情・エゴのすれちがい。
ティム・バートンは一時期ゆるーくなってしまってあららと思ったけどこれは切れ味が戻ってきていいなーと思った。
監督が一貫して描いている「コミュニケーションが他者とずれてしまう主人公」をジョニーがしっかり受け止めて演じきっているとこがいいコンビだなーと。
しかし明日チャーリーとチョコレート工場やるんだよね。あれ見て「キモかわいいジョニー+バートン映画の新作?」とか思って劇場に足を運びそうな人が増えそうで心配。しっかりR−15だから大丈夫と思いたい。キモかわいくはないから注意!
[PR]
by 7_7seven | 2008-01-10 23:54 | さ行の映画