主に洋画新作映画の感想を中心に俳優やミュージシャンのTVでのインタビュー書き起こし


by 7_7seven
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お洒落の旅人  大内順子 (世界文化社)

昨年80才で亡くなられたファッションジャーナリスト大内順子さんの自叙伝「お洒落の旅人」を読みました、上海で過ごされた幼少時代から晩年まで、当時の写真を交えて綴ってあります。

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ずっと印象が変わらなかったので80才と聞いて驚きました

豪華絢爛かつ波瀾万丈な人生
幼少を過ごした上海から帰国後も日本全国を転々とし、でもどこでも土地の人と仲良く過ごしていて、コミュニケーション能力の高さはもちろんですがどこに移動してもよい所をみつけて楽しんでいるのが素晴らしいです。しかし女子大生が30才のクリエイターにスカウトされモデルに、なら現代でもありそうですが、すぐにプロポーズされ19才で学生結婚はなかなかないのでは。
その後ファッションライターへ転身、留学の直前に自動車事故で大怪我を負われます。

出来ない事じゃなくて何が出来るかに焦点をあてる
彼女のトレードマークのサングラスはその事故が原因なのは知っていましたが、事故の詳細は知らず、今回内容を知ると心身ともにどんなに苦しかったか胸が痛くなり、またどれだけ努力されたか改めて頭が下がりました。拡大鏡を置いたり持ち歩いたりライトを持ったり、工夫を重ねておられたそうです。


美意識が高い人のつらさ
たまに「センスがある人ってそうでない空間やものを見るとつらいだろうなー」と思う事があるのですが大内さんの旦那様の宮内氏がまさにそうで、晩年入院したときは病室が汚い、美しくないとケチをつけておられたそうです。入院する位の体調なのにそういう美意識が働いてしまうくらい本物の感覚だったのでしょう。宮内氏は何十年も前にイタリアン・モダンな家を独自の感性で建てていたり、仕事も何でも出来てしまうので次の興味ある事へ転職、の繰り返しだったそうでセンスや才能は間違いないのだから一つの事に集中したら世に名を残す巨匠になっていたと書かれていて、ある話を思い出しました。


行動だけが嘘をつかない
昔ウェブデザインの先生が言われていたんですが、デザインを習っていた学生時代に自分よりセンスや才能のある学生はたくさんいた。でもそんな人はなぜか辞めてしまって教室では別に目立つ存在ではなかった自分ともう1人だけが業界での生き残りになったと。仕事において才能とかセンスとかは絶対じゃなくて、とにかく続ける事、やること、行動すること、形にしていくことが大事なんだろうなと思います。大内さんは自分は対照的にファッション一つに絞って長く続ける事で認められたと語っています。


ファッション通信やパリコレの舞台裏も楽しい
やっぱり地上波復活して欲しいファッション通信。コレクションが見られて、大内さんの解説も楽しかったです。始めた頃の大変な話、デザイナーの人となり(カール御大が大内さんの手をとって「いつもサポートありがとう」という場面は感動)大内さんがアイデアと行動力を駆使して何もないところから番組の形にしていくところetc読み応えあります。
文章も読みやすく写真も多いので大内さんの足跡が知りたい方はおすすめです。
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by 7_7seven | 2015-01-20 22:53 | 読書 | Comments(0)