ジャーヘッド JARHEAD
2006年 02月 15日
予告がすごくよくて観にいきたいなーと思っておりました。カニエ・ウェストの音楽が効果的に使われててうまい。実際映画本編も当時の音楽とともにうまーく使われてて音のセンスがいいなーと。
うーんこのポスターよりは日本版の方がいいかも
予想以上によかった!相変わらずアメリカの普通の人の描写がうまい。キャラクターの誰にも寄り添わない、でも冷たい感じはしない独特の視線。
湾岸戦争に赴いた主人公の心の動きが上手く表されていて軍隊に入ったときとラストの顔が全く違う。ジェイク上手いなー。
軍はなんかこう男子校というか工業高校というか馬鹿をやってるのが面白かった。やっぱ大人になっても個人の考えつく面白さMAXって中2くらいで、その年代で泊まったかのようなクオリティ高いバカっぷり。清々しい。
それと対照的に延々描かれる戦場の日常。紛れもなく戦場に来ているのに、そのための訓練もしたのにひたすら待つだけの日々。死を間近にしながら実感が湧かない現代の怖さも出てた、空虚さにあがく様がすごい。それと戦場ならではの光景。砂漠に燃える油田とか石油の雨とかおおーっといいたくなる映像満載。現場にいる人が感じる戦争の空しさがよく出てた。
それと青春映画としても秀逸で「今自分はすごく重要な時期のはずなのに何も起きない。いつ始まるのかな」の心境のまま終わってしまうという不完全燃焼の青春の映画にもなってたと思う。狙撃シーンで狼狽えるトロイや何とか今を意味がある日として認識したい海兵隊たちの描写もうまい。
俳優は今一番注目されてるジェイクはほぼ完璧(クリスマスのシーンはすごかった。ジェイクこわいもんないのか)彼はデイ・アフター・トゥモローのインタビューで「自分の顔を売りたかったから出た」って言い切っててすごいなと思ったけど数年後しっかりいい監督と組んでるからえらい。そしてフライトプランに続いてピーター・サースガードもやっぱうまーい。もうけ役な役柄だけど派手なシーン以外のちょっとした表情とかレベル高しでさすがだった。ジェイミーもさすがの存在感だし(「ステルス」のフォロー出来てよかったね!)「プライド」に出てたルーカス・ブラックも出てたしこの監督、「ブラック・ホーク・ダウン」とは別のベクトルで俳優のセレクトの趣味がいいなー。
見終わったあと妙な脱力感が残るのがよかった。